準備室

♂2/同性愛表現あり

*まえがき*

高校時代、後輩に頼まれて血を吐きながら書いたBLです。
当時の後輩の証言では、私は男だったら工藤のような感じに出来上がるであろうと
そして、試し読み、工藤くん、やらされた、記憶が、今でも、片隅に…


工藤 武 (くどう たける ):♂: 秀才メガネ
伊藤 康孝(いとう やすたか):♂: ヘタレできそこない生物教師


  ―生物実習室―
伊藤「何か質問のある人は授業終了後すぐに来てください」
  キーンコーンカーンコーン
工藤「先生」
伊藤「工藤君」
工藤「ここの事なんですが、最近は新しい説も出ていますよね?
それについて説明をお願いします」
伊藤「えっと……それってなんだったけ…」
工藤「はぁ、先生なのにこんなこともわからないんですか?」
伊藤「ごめんね…」しゅんとする(子犬みたいに)U・ω・)
工藤「教師失格ですね」
伊藤「うぅ…」
工藤「何ですか?何か言いたいことでもあるんですか」
伊藤「……。後で調べて説明するよ」
工藤「そうですか」
伊藤「だから今は勘弁して」うるうる( ; ; )
工藤「分かりました。では、放課後に伺います」
伊藤「放課後!?」
工藤「いけませんか?」
伊藤「いや、だ、大丈夫だよ」
工藤「それでは、放課後に」
伊藤「生物準備室に来てくれる?」
工藤「喜ん…(咳払い)分かりました」

  ―生物準備室―
  コンコン
伊藤「はい」
工藤「失礼します」
伊藤「あ、工藤君か」
工藤「それで先生、調べていただけたんですか?」
伊藤「うん。ごめんね授業中に答えられなくて」
工藤「全くです」
伊藤「あはは……」
工藤「教師って簡単になれるものなんですか?」
伊藤「何言ってるの。そんな簡単になれたら誰も苦労しないでしょ」
工藤「でも伊藤先生みたいな人でもなれたんでしょう」
伊藤「僕みたいなって…」
工藤「生徒からの質問にも答えられないなんてホント教師失格ですよ」
伊藤「それは謝ってるじゃないか」
工藤「謝られてもその事実は変わらないですよ」
伊藤「僕だって新米の教師なんだよ。ちょっとしたミスくらいあっても」
工藤「そう言ってごまかしてるんでしょう」
伊藤「だってホントに新米だし」
工藤「新米だからって言い訳するなんて、見苦しいですよ」
伊藤「うぅ…」
工藤「新米だからなんなんですか?教師だったらそれくらい出来て当然ですよね」
伊藤「ニュースのことくらいで、なんでこんなに言われなきゃいけないの」
工藤「俺は先生の為を思って言ってるんですよ」
伊藤「どこが、僕のためなんだよ」
工藤「そうやって、一生徒に言い訳して…(笑い)」
伊藤「……」しゅんとする
工藤「伊藤先生。そんなんじゃこの先、教師を続けるなんて無理ですよ」
伊藤「そ、そこまで言わなくても」若干、泣き
工藤「先生」伊藤に近づいていく
伊藤「うぅ……(´;ω;`)」

  工藤、伊藤の腕を掴んで、奥に連れて行く
伊藤「工藤君、どうしたの?」
工藤「先生ができそこないなので、俺がいろいろと教えてあげますよ」顔を近づける
伊藤「教えてもらうことなんて…」
工藤「ないって言うんですか?少なくとも今日した質問は、先生より俺の方が詳しいですよ」
伊藤「それはそうだけど」
工藤「いいじゃないですか。できそこないって言うのは俺が最後になるんですから」
伊藤「教師としての面目ってものが…」
工藤「先生、まだそんなもの気にしていたんですね(笑い)」
伊藤「ねぇ、工藤君。意地悪しないで……」
工藤「……」じっと伊藤を見る
伊藤「外暗くなってきたし、そろそろ帰らないと親御さん心配するよ?」だんだん焦り
工藤「……」
伊藤「ねぇ、工藤君」
工藤「先生、俺の下の名前知ってますか?」語りかけるように
伊藤「え?えっと…」
工藤「俺の名前、タケルって言うんですよ」
伊藤「そ、そんな名前だったね」
工藤「名前で読んでくださいよ。工藤なんて苗字の人たくさんいますし」
伊藤「何、言ってるの」
工藤「別に変なこと言ってませんよ。名前で呼んで欲しいと言っているだけで」
伊藤「でも、そんな親しいわけでもないし…」
工藤「……。先生以外、誰も来ないんですね、ここ」
伊藤「工藤君…近い…っ」
工藤「なんで先生は職員室にいないんですか?」
伊藤「……」
工藤「もしかして、馴染めてないんですか?」
伊藤「そんなこと…!」
工藤「じゃ、どうして?」
伊藤「……」うるうる
工藤「黙っていたらわからないじゃないですか」
伊藤「うぅ…」
工藤「また、そうやって泣くんですか?」
伊藤「泣いてなんか…」
工藤「伊藤先生って、可愛いですね」囁き
伊藤「……!?」
工藤「そういえば、今日は調べてもらったもの教えてもらえませんでしたね。

   明日、聞かせてもらいに来ることにします」
伊藤「そ、そう」
工藤「では先生、さようなら」
伊藤「さようなら…」

  #次の日、昼休み
伊藤「はぁ、疲れた…。眠い…」
  伊藤、寝てしまう
  工藤、入ってくる
工藤「失礼します」
伊藤「zzz」
工藤「先生?」
伊藤「ん…」
工藤「っ!?」
伊藤「zzz」笑っている
工藤「なんて顔して寝てるんですか…」
  工藤、伊藤の寝顔を写メる
伊藤「ん、んん…」
工藤「無防備すぎですよ」
  工藤、出ていく
  伊藤、出て行った音で目が覚める
伊藤「あれ?今誰か…」

   #放課後
伊藤「今日も無事に終わった~(伸びをする)」
  コンコン
伊藤「はーい」
工藤「失礼します」
伊藤「く、工藤君、どうしたの?」
工藤「昨日言ったじゃないですか。質問の答えを聞きに来ると」
伊藤「あぁ、そういえば」
工藤「それと言いましたよね」
伊藤「?何を」
工藤「名前で呼んでくださいと」
伊藤「昨日呼ばないっていったよね」
工藤「どうしてですか?」
伊藤「だから、そこまで親しいわけでもないのに」
工藤「では、親しくなれば問題ないんですね」伊藤に近づく
伊藤「……っ!何を」
工藤「先生が言ったんじゃないですか親しくなれば構わないって」
伊藤「それは、言ったけど」
工藤「俺のこと、嫌いなんですか?」
伊藤「き、嫌いってわけじゃ…」
工藤「嫌いじゃないってことは好きなんですよね」
伊藤「教え子として、大切に思ってるよ…」
工藤「そうですか」

  工藤、携帯で音声を再生
工藤『先生が言ったんじゃないですか親しくなれば構わないって』
伊藤『それは、言ったけど』
工藤『俺のこと、嫌いなんですか?』
伊藤『き、嫌いってわけじゃ…』
工藤『嫌いじゃないってことは好きなんですよね』
伊藤『教え子として、大切に思ってるよ…』

 伊藤「何……?」
工藤「俺、言うこと聞いてくれる人が欲しかったんですよ」
伊藤「言うこと聞いてくれる人…?それ、何に使うつもりなの」
工藤「先生が言うこと聞いてくれるんだったら、使わなくてすみますが」
伊藤「言うこと聞くって、そんなこと…」
工藤「できなかったらいいんですよ?いままでの分も録音してありますし、

   全部使って編集すれば、いろいろとでっち上げできますし」
伊藤「いままでって…」
工藤「どれくらいあるかはわかりませんが、

   新米教師をやめさせる位のネタは簡単に作れるでしょうね」
伊藤「……」
工藤「先生、どうします?俺の言うこと聞いて教師続けるか、言うこと聞かないで人生を棒に振るか」
伊藤「……工藤君は、何がしたいの」
工藤「それは、いうこと聞いてくれるってことでいいんですか?」
伊藤「内容を聞かなきゃ判断できないじゃないか」
工藤「別に逮捕されるようなこと言いませんよ」
伊藤「……」じっと工藤を見る
工藤「どうするんですか?」
伊藤「……本当にやばいことはしないんだね」
工藤「はい」
伊藤「僕ができる範囲だけなら…」
工藤「そうですか」

  工藤、伊藤を壁際に追い詰める
伊藤「工藤君、どうしたの…」
工藤「先生、目閉じてください」
伊藤「……」
工藤「まさか、できないなんて言いませんよね?」
伊藤「閉じて何するの…?」
工藤「早く閉じてくださいよ」
伊藤「わ、わかったから…」目を瞑る
工藤「俺がいいって言うまで、目閉じててくださいね」
伊藤「……」
  工藤、伊藤にキス
伊藤「んっんんっ」
  パシャ
伊藤「んむ、ん、んんっ、んぁ」
工藤「先生、エロいですね」
伊藤「く、工藤君、今、何したの…」
工藤「何ってキスですよ」
伊藤「キスって…」
工藤「俺、ずっと思ってたんですよ。先生かわいいなって」
伊藤「!?」
工藤「先生言うこと聞くって言ってくれて俺ホント嬉しかったです」
伊藤「工藤君、君って…」
工藤「今更、嫌なんて言えませんよね」
伊藤「僕にだって断る権利が…」
工藤「今度は写真もありますし」
伊藤「没収っ!」
工藤「いいですよ」
伊藤「えっ…」
工藤「データはもうパソコンにも転送済みですし、携帯2台持ってますから」
伊藤「そんな…」
工藤「先生だって感じてたんじゃないんですか?あんなにエロい声出して」
伊藤「そんなこと…」
工藤「ないって言うんですか。なら、もう一度試してみます?」
伊藤「何言って、…!?」

  工藤、伊藤にもう一度キス、録画する
伊藤「んっ、んんっんぁ、んんっんむっはんっ、ん、んぁっ」
工藤「ほら、いやらしい顔でいやらしい声出して」
伊藤「そんなっ、こと」ハァハァ
工藤「力が入ってませんよ(笑い)先生ってこんな変態だったんですね」
伊藤「僕は、変態、じゃ、ない」ハァハァ 床に座り込む
工藤「これのどこが変態じゃないんですか?」
  工藤、録画を見せる
  伊藤、目を逸らそうとする
工藤「ちゃんと、見てください」
伊藤「うぅ…」
工藤「強引にキスされて、興奮したんですよね」
伊藤「……」うるうる
工藤「今日はここまでにしておきましょう」
伊藤「え?」
工藤「そのかわり、明日の午後2時にここに来てください」
伊藤「明日って…休みじゃ」
工藤「そうですよ。少しでも遅れたら……(ニコッ)」
伊藤「遅れたら何…?」
工藤「先生、さようなら。また明日」

  次の日 伊藤、急いで入ってくる
工藤「先生、2分の遅刻ですよ」
伊藤「み、道が混んでて…」
工藤「先生は、言い訳が好きなんですね」
伊藤「ごめん!謝るから!」
工藤「いいですよ、許してあげます」
伊藤「ほんとに?」
工藤「えぇ、一つ条件がありますが」
伊藤「じょ、条件…って」
工藤「簡単なことですよ。昨日俺がしたこと、先生からやってください」
伊藤「昨日したことって…」
工藤「キスですよ」
伊藤「僕からやれって言うの?」
工藤「そう言ってるはずですが…違うニュアンスに聞こえました?」
伊藤「そんなこと…」
工藤「まさか、出来ないなんて言うんですか?」
伊藤「で、できないよ」
工藤「そうですか」伊藤に詰め寄る
伊藤「え?ちょ、何…?」
工藤「できないって言った分のお仕置きをしようとしてるだけですよ」
伊藤「お仕置きって、…!」

  おもわず目を瞑る 工藤その顔を撮る
工藤「今日から俺のことタケルって呼んでください」
伊藤「え?」
工藤「名前で呼んでくださいと言っているんです」
伊藤「あぁ、うん…」
工藤「何ですか?もしかして先生はキスされるの期待してたんですか?」
伊藤「何言ってるんだよ!そんなことあるわけないじゃないか!」
工藤「キスを期待してたから、こんなカワイイ顔してたんじゃないですか?」
伊藤「また撮って…!工藤く…」
工藤「武」
伊藤「武…君。それ消して」
工藤「呼び捨てにしてくださいよ」
伊藤「そんなの、できない…」
工藤「またですか」
伊藤「それは、工藤君が」
工藤「先生」
伊藤「な、何?」
工藤「今日は、『できない』って言葉と『工藤』って言葉、言うたびにペナルティです」
伊藤「ペナルティって」
工藤「とりあえず、さっきの二回分のペナルティです」
ネクタイを外し、伊藤の手首を縛る
伊藤「ちょっと、何するの!?」
工藤「騒いでいいんですか?学校の生徒、しかも男とこんな密着してるの見られたら

   大変なのは先生の方ですよね?」
伊藤「それは、た…武君が…」
工藤「先生よりも俺の方が信頼厚いと思うんですけど」
伊藤「でも…」
工藤「でも、なんだって言うんですか?俺が先生に仕向けられた、って言えば

   先生が晒し者になるんですよ?」
伊藤「…ずるいよ」
工藤「先生は黙って俺の言うこと聞いてればいいんですよ」

  工藤、伊藤のネクタイを外し目隠しする。
伊藤「た、武君。外して…」
工藤「…」伊藤の首筋をそっとなぞる
伊藤「っあ、やめて…」
工藤「何をやめてほしいんですか?」
伊藤「く、首っ、ぅあ、触るの、やぁ」
工藤「先生ってヘンタイですね」クスクス
伊藤「ほ、ほんとに、やめて……」
工藤「やめてもいいですよ。その代わり」
伊藤「な、何…?」
工藤「先生には教え子の前でホモ宣言してもらいます」
伊藤「そんなの……!」
工藤「俺からしたらどっちでもいいんですけど」
伊藤「…ぅう」
工藤「どっちにします?」
伊藤「…首、触られるのでいい」
工藤「それが、人にものを頼む態度ですか?」
伊藤「首触る方で、お願いします」
工藤「もっとねだってくださいよ。じゃないと俺、先生のエロい写メ誰かに送っちゃうかも」
伊藤「っ…!」
工藤「ほら先生、早く」
伊藤「首、触ってください…お願いします…」
工藤「やれば出来るじゃないですか。じゃ、ご褒美に」伊藤の首筋を舐める
伊藤「ひゃぅ…!ちょっ、何して…」
工藤「おねだり出来たご褒美ですよ」
伊藤「そっ、そんなのはぅ、い、いらない、よ…ぅあ」
工藤「カラダは嬉しそうに反応してるじゃないですか」
伊藤「それは、あっ…君がぁ」
工藤「普通の人は、そんな声出さないんですよ」
  伊藤、床に座り込む
伊藤「はぁ…はぁ」
工藤「どうしたんですか先生、そんなとこに座って」
伊藤「はぁ…はぁ…」
工藤「答えてくださいよ」
伊藤「足に…力が…」

  工藤、伊藤を抱き上げる
伊藤「ちょっと武君…!何してるの…!?」
工藤「何って、先生、足に力が入らないんでしょう?」
伊藤「そうだけど…抱き上げること……」
  工藤、伊藤をソファーに寝かせ、目隠しを取る
工藤「これで大丈夫ですか?」
伊藤「う、うん…ありがとう」上半身を起こす
工藤「どうしたんですか?その反応だとまるで続けて欲しかったって感じですけど」
伊藤「そんなこと…思って…ない…」
工藤「先生」
伊藤「か、顔近いよ…」
工藤「キスしてもいいですか?」
伊藤「それは…」
工藤「じゃあ、キスするのとされるの、どっちがいいですか?」
伊藤「どっちって…」
工藤「両方ですか?」
伊藤「違っ!…ちょっと…!近いって」
工藤「そんな顔してたら、誘ってるようにしか見えませんよ」
伊藤「誘ってないって、離れてよ…」
工藤「逃げようと思えばいつでも逃げれましたよね」
伊藤「いつでもって」
工藤「扉に鍵はかかってないし、俺を突き飛ばせば扉まで行くことは可能でしたよね」
工藤「先生、本気で抵抗してないですよね?」
工藤「先生、嫌じゃないんですよね?」
伊藤「何言って…っ!?」工藤に押し倒される
工藤「嫌だって言うなら、本気で抵抗してみればいいじゃないですか」
  工藤、伊藤に覆いかぶさった状態で鎖骨を指でなぞる
伊藤「っ…!」
工藤「先生って首筋弱いんですね。じゃあ…」
  工藤、伊藤の首に甘噛み
伊藤「っ!!」
工藤「先生、声こらえなくていいですよ」そのまま、首のあたりをせめ続ける
伊藤「首っ…やめぇっ…ぅあ」
工藤「先生、嫌なら本気で抵抗してくださいよ」強めの甘噛み
伊藤「ふあっ…!」
工藤「先生…」
伊藤「武…くっ…ん、ほんとっに…やめてっ」
  工藤、構わず続ける
伊藤「んんっぁ…!ふあっ!」
工藤「ほんと、かわいい」クスクス
伊藤「ぅあ…!」
工藤「…かわいい、先生」
伊藤「んっ…んぁ、うぁ…ん…ふっ」
工藤「答えないってことは認めたって受け取っていいんですよね」
伊藤「そ…んなぁ…ん…」

工藤「先生は、俺の言うとおりにしてればいいんですよ」
  伊藤、涙ポロポロ
工藤「先生?…!」
伊藤「ごめんね」
工藤「なんで先生が謝るんですか」
伊藤「ごめん、ごめんね…ごめん」
工藤「ちょ、先生…?」
伊藤「ほんと、ごめん…」
工藤「あーもう…」
  工藤、伊藤を抱きしめる
伊藤「!!」
  工藤、伊藤に軽くキス
工藤「俺が悪かったから…泣かないで下さい…」
伊藤「武君…(泣)」
工藤「泣き虫なんですね」
伊藤「武君…ごめんね…」
工藤「先生、今から謝るの禁止です」
伊藤「でも、ごめ…」
工藤「今から謝るたびにキスですよ」
伊藤「ふぇ!?そんなっ」
工藤「じゃ、謝らないで下さい」
伊藤「う、うん…」
工藤「先生、……愛してます」